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おすすめの本、心に残っている本のご紹介。


 『夕凪の街 桜の国』(こうの史代)

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 最近読んだ本です。本というかコミックなんですけどね。第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞・第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した作品です。新聞などに書評が出ていたのを見て、読んでみたいとずっと思っていました。
 「夕凪の街」、「桜の国(第一部)」、「桜の国(第二部)」の3話が所収されています。3話は独立した物語ではなく、時を経てつながっています。一読してちょっとわかりづらいところもありましたが、登場人物の名前や、背景のちょっとした文字などに気をつけて読むと、時代設定や話ごとのつながりがわかります。
 これを読んで、原爆による被害というのは、被爆した当人だけが受ける一代限りのものではなく、その子供、そのまた子供、と静かに連綿と続いていくものなのだなと思いました。「はだしのゲン」のような直接的(写実的)な被害描写はほとんどありませんが、でも静かに、原爆という攻撃を受けたことの苦しさが伝わってきます。「夕凪の街」の中に、背景が何もない白いコマに文字だけが書かれている箇所があるのですが、そのことが示す意味の重さ。最初読んだ時、その箇所からしばらく動けませんでした。
 2007年、映画版(実写)が公開予定だそうなので、それも楽しみです。

 ◎ふたば文庫にて貸し出し予定です。


(2006.9.7 旧ブログより)

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