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おすすめの本、心に残っている本のご紹介。


 灰谷健次郎さん

 児童文学作家の灰谷健次郎さんが逝去(せいきょ)されたそうです。灰谷さんの書かれた本を、私は一時期よく読んでいました。心に残っている一節を書きます。


↑これは文庫版の中古本ですが、リンク先(楽天市場)では新品・単行本も探せます。


 ・『太陽の子』より
 「人の値打ちは、心の中に他の人がどれだけ住んでいるかによって決まる」
 これはずっと昔に読んだので、作品中の正確な文ではありません。記憶を頼りに要約した文です。
 自分の心の中に他の人が住んでいるというのは、例えば、他の人が苦しんだり、悲しんだりすると、まるで自分のことのように自分の心も痛む。そういうことを指して、「心の中に他の人が住んでいる」と書いています。
 主人公の「ふうちゃん」の周りには、心の中に他の人がたくさん住んでいる、そんな大人たちがいます。ふうちゃん自身の心にも、たくさんの人が住んでいます。心の中にどれだけの人が住んでいるか、それが、人間の「大きさ」なのだと思います。私の心にはどれだけの人が住んでいるだろう。あなたはどうですか。


↑これは文庫版の中古本ですが、リンク先(楽天市場)では新品・単行本も探せます。


 ・『天の瞳 幼年編1』より
 「その先生が、子どもを教えるとか、しつけるとか、そんな傲慢(ごうまん)なことをいうなって。子どもには添うてやれって教えてくれたの。二十人の子がいたら二十通りの添い方がある。それを考えるのが保母の仕事だって」(角川文庫版・10ページより)
 「保母」さんは今で言うと「保育士」さんのことですね。私は保育士ではないけれど、この文章を読んだ時に、人に「添う」という仕事のしかたをしたいなと、そう思いました。

 灰谷さんのご冥福をお祈りします。


 ◎灰谷さんの著作の文庫版を13冊、ふたば文庫に準備しています。


(2006.11.24 旧ブログより)

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