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【勉強のツボ・英語】主語と動詞の位置関係 ― ふたば塾
さて、前回の記事で挙げた例文を、ここでもまた用いることにします。
<日本文>
1.私は昨日、彼と一緒にそのコンサートに行った。
2.彼の妹はこの帽子をその新しい店で買った。
3.この機械は食器を洗う。
<英文>
1. I went to the concert with him yesterday.
2.His sister bought this hat at the new shop.
3.This machine washes the dishes.
それぞれの文で下線を引いた部分は、前回の記事で見てきた「主語」と「動詞」の部分です。
日本文、英文、それぞれで、主語はどういう位置にありますか?
動詞はどういう位置にありますか?
日本文と英文の違い、特徴、何か気づきましたか?
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大まかに言うと、
<日本文> 主語:文の先頭 動詞:文の最後
<英文> 主語:文の先頭 動詞:主語のすぐ次
という位置にある、と言うことができます。
(日本語の話し言葉では「昨日行ったのよ、彼とコンサートに。」(主語:省略されている、動詞「行った」:文の途中に出てきている)というように主語や動詞の位置は崩れることもありますし、また英語の文も、特殊構文や例外的な文法の文では主語や動詞の位置関係は通常と異なってきますが、ここでは、日本文も英文も、通常の文法・語順に従って書かれた文について考えていきます。)
主語の位置は、日本文も英文も「文の先頭」ということで共通していますが、特徴的なのは、動詞の位置ですね。かたや、文の最後。かたや、主語の次にすぐ出てくる。
例えば、次のような場合。
<日本文>
「私は昨日、彼とコンサートに…(ここで雑音が入って聞こえなくなる)」
<英文>
「I went to the concert…(ここで雑音が入って聞こえなくなる)」
さて、それぞれの文の主語「私」「I」にあたる人物が、コンサートに「行った」のか「行かなかった」のか、わかるのはどちらですか?
日本文の場合、雑音でかき消されてしまった部分は、「行った」なのかもしれないし、あるいは「行かなかった」と続くのかもしれません。つまり、この「私」がコンサートに「行った」のか「行かなかった」のかは、わかりませんね。不明です。
対して英文の場合、雑音でかき消された部分が何だったのかはわかりませんが、コンサートに行ったのか行かなかったのかは、はっきりしています。「went(行った)」と言っているので、この人「I」は、コンサートに行ったのです。
主語の人物が、何かを「した」のか「しなかった」のか。「する」のか「しない」のか。
そういう大事な部分を、文の最後まで言わないのが、日本語。
主語の次にすぐに言ってしまうのが、英語。です。
「私、昨日ね…」
これだけでは、「私」が何だったのか、わかりません。
動詞が出てくるまではわかりません。そして日本語の場合、たいていは、動詞は文の最後に出てきます。
「I went.」
対して英語は、これだけで、「I」という人が何かをしたのかしなかったのか、もうはっきりしています。「行った」のです。「I」が何かをしたのかしなかったのかが、すぐに明らかになる。それが英語です。
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このように、主語と動詞の位置関係を見ていくと、日本語は「大事なところを最後まで言わない」=奥ゆかしい、あいまいさを持った性格の言語、また英語は「大事なところをすぐにはっきり言う」=オープンで、きっぱりしている性格の言語、というような気がしてきます。こっちはこういう性格、向こうはああいう性格…なんだか、自分や周りの人たちの性格を考えてみるのに似ています。言語にも性格がある(のかもしれない)。そんなふうに考えてみると、ちょっと面白いですね。
さて今後は、いろいろな文法事項をひとつひとつ取り上げていこうと思っています。「この単元を解説してほしい!」というリクエストがあれば、できるだけお答えしたいと思っていますので、メールでお寄せくださいね。
では皆さん、勉強がんばりましょう! See you next time!
(2006.11.5 旧ブログより)
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