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【勉強のツボ・国語】物語文、説明文など、長い文章の読み方 ― ふたば塾
国語だけでなく、算数・数学の文章問題などにもあてはまりますが… 「文章を読んでも、内容がよくつかめない」という人へ。 小中学生でそういう人、けっこういるようです。 教科書にのっている文章や、テストに出題された文章だけでなく、趣味としての読書で本を読む時も、「文字を読んではいるけど、内容をつかんではいない」という状態なのですね。 その原因として私が思い当たるのは、 「とにかく速く読むことにとらわれて、文字をだーーーっと追っているだけ」 あるいは、 「とにかく速く読むことにとらわれて、部分部分をばらばらにしか読んでいない」 ということです。 まず、「とにかく速く読む」ことをやめましょう。 テストの時は、制限時間内でなるべく速く読まなければなりませんが、普段からその読み方をしていると、「文章の内容をつかむ力」はつきません。 テストでない時、つまり、教科書の文章を読む時、問題集に出ている文章を読む時、趣味の読書をする時には、 「ひとつの文を読んで、その文が言っていることを、ひとつひとつ、自分の中に受け取る。」 それと同時に、 「ひとつの文を読んで、その文が言っていることを、マンガのように絵にして頭の中に思い描く(おもいえがく)。」 これを、ひとつひとつの文で、つまり「。」で区切られるたびに、繰り返してください。 長い文ならば、「、」で区切られるたびに、これをやりましょう。 これをしながら文章を読むと、たとえば次のようになります。 夏目漱石・『吾輩は猫である』の最初の部分 ※『 』はこの小説の文章、< >の中はそれを読んでいる私が頭の中に思い浮かべている言葉です。 『吾輩は猫である。』<うんうん、猫ね。三毛猫かな。白黒かな。> 『名前はまだ無い。』<あら、名前まだ付けてもらってないんだ。> 『どこで生まれたか、とんと見当がつかぬ。』<生まれた場所がわからない…野良猫かな。> 『何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー鳴いていたことだけは記憶している。』<暗いところに捨てられてたのかな…。> 『吾輩はここで初めて人間というものを見た。』<どんな人間かな…?> …という感じです。 それぞれの< >の時に、私の頭の中には、一匹の猫が、マンガのような絵で出てきています。「絵」ではなく、「写真」のような感じだったり、映画のような「映像」でももちろんOK。 文章の言っていることが、とてもよくわかるようになる、と思いませんか? これをやりながら文章を読むと、やらないで読むよりも、もちろん時間がかかります。 それでいいと思います。 テストの時でなければ、文章を読むのに制限時間があるわけではありません。ゆっくり読んでいいのです。 ゆっくり読んで、作者が文章に書いたことを、ひとつひとつ、受け取りましょう。 そのほうが読んでいておもしろいし、頭に残りやすくなるので、内容を忘れて何回も読み直したりしなくてもよくなります。 速く読んで、忘れて何回も読み直して、文章を読むのが嫌になってしまっているみなさん。 ゆっくり、ひとつひとつのことを受け取りながら読めば、1回で楽しめますよ♪
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ここからは、ご両親やご家族の方へ。 「読むスピード」を強要しないでください。ゆっくり受け取りながら読めるようになれば、読むスピードはおのずと速くなってきます。優先すべきは「内容を理解すること」です。 書かれたひとつひとつの言葉、作者が伝えたくて書いた言葉を、ひとつひとつ、受け取れる「心」を、育ててあげたいですね(^o^) (2009.7.4 旧ブログより)
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